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VOL.4 FINANCE & WORK

オルタナティブな経済をめぐって〜お金とクリエイティブの新しい関係

クリエイティブな経済とクリエイティブの経済

11月6日(火)に開催されるtrialog vol.4のキーワードは、お金」と「仕事。一見「固そう」に見えるテーマだが、これからのクリエイティブを考えるうえでもこのふたつを無視することはできない。企業のあり方や働き方、経済システムが目まぐるしく移り変わるなかで、わたしたちはいかに「経済」と向き合うべきなのだろうか。多彩なゲストを迎えて行なわれる、注目のセッション内容についてご紹介しよう。

TEXT BY SHUNTA ISHIGAMI

わたしたちを取り巻く「経済」のあり方は、絶対不変のものではありえない。日本で暮らすわたしたちが長い間慣れ親しんできた終身雇用制がいまや不確かなものとなりつつあるように、経済も会社も働き方も仕事も、時代に合わせてその姿を変えていく。

仕事」や「お金」というとついついビジネスのことだけを想像してしまうが、さにあらず。フリーランサーやスタートアップが増え個人がより主体的に生きていくことが予想される現在、これからの「クリエイティブ」を考えるうえでも、経済」は避けてとおることのできないテーマなのだ。

だからこそ、これまで「アニメーション」写真」音楽」とさまざまなテーマを通じて新たなクリエイティブのコミュニティをつくろうとしてきたtrialogも経済について語らねばならない。11月6日(火)開催されるtrialog vol.4のテーマは、題して「オルタナティブな経済をめぐって〜お金とクリエイティブの新しい関係。trialog代表の若林恵は、vol.4の開催に際し以下のように記している。

PHOTOGRAPHS BY gettyimages

フィンテックだ、情報銀行だ、キャッシュレスだ、と金融にまつわる変革の呼び声が、いま喧しいが、金融が変わらなければ理由は、そもそもの社会のあり方が、これまでと大きく変わってしまったところにある。経済成長を成し遂げることが、社会や国の『幸福』につながるという信仰は、いつからか信ずるに足るものではなくなり、強引な経済成長は格差しか助長しないものとしか感じられなくなっている。社員を家族同然に扱い手厚い保障を授けてきた会社は、できるだけ会社に来ないようにしてくれ』と社員に対して語らなくならねばならなくなる。社員は社員で、もはや一つの会社に依存した生活がリスクでしかないと感じるようになってもいる。社会そのものが、そして働き方が、これまでのような安定を失い流動化するなか、これからの働き手は、より自立した暮らしのマネジメントが必要となる。フィンテックがサポートし、働きかけなければならないのは、本来的には、そうした状況に対してであるはずだ。

そうした意味でいえば、クリエイターは、あらゆる働き手がフリーランサー化していく社会における先陣・前衛の役割を果たしていると言える。これまでの産業構成が崩壊するなか、いち早くインディペンデントとして生きることを実現したクリエイターは、さりながら、それですぐさまより良い生活を手にしたわけではない。いま、クリエイターをめぐる経済はどうなっているのか、そこにおける課題は何なのかを語り起こすところを中心として、今回のtrialogは展開する。そして、新しい金融のあり方に取り組むフィンテック企業を迎えて、これからの働き方とお金の新しい関係を語り、最後のセッションでは、経済成長がほんとうに社会に「幸福」をもたらすのか、といったあたりに踏み込むことを予定している。

社会はいま、これまで以上の大きな変化を目の当たりにしている。そうしたなかで、これからの社会を担っていく若者たちが、どのように働き、お金とどのような関係を取り結びながら、経済と自己実現と社会貢献のバランスを取っていくのかは、社会の未来にとって重要な課題となる。ただひたすら安定を重視し、働くことについて保守化する若者が増えることは、本人たちのためにも、日本の社会にとっても、経済にとっても良いことではないはずだ。今回のtrialogは、そうしたメッセージを込めて、アンダー30を対象とした」

trialog代表・若林恵

PHOTOGRAPHS BY gettyimages

今回もtrialogは音楽プロデューサー・tofubeatsや文化人類学者・松村圭一郎ら多彩なゲストを招聘。狭義の「経済」に囚われず、多様な視点からこれからの経済のあり方について考えてゆく。3つのセッション内容は以下のとおりだ。

SESSION 1:お金が変わる。働くが変わる。生きるが変わる。

本セッションにゲストととして登壇するのはOrigami代表取締役社長・康井義貴と、BrainCat代表取締役社長・中村貴一。決済アプリ「Origami Pay」を通じてキャッシュレス社会を実現しようとする康井と、次世代の「共同体」をつくるためのプラットフォーム「Gojo」を提供する中村は「お金」の未来に何を見ているのか。キャッシュレス社会が実現したとき仕事のあり方はどう変わるのか? 会社とは異なる新たな経済のためのコミュニティがいくつも生まれたら会社はどう変わっていくのか? trialog代表・若林を迎えて行なわれるトークからは、これからの「仕事」を考えるうえでも大きな示唆が得られるはず。

SESSION 2:クリエイターと「お金:本当の「自由」を手にするために

続くSESSION 2に登場するのは、音楽プロデューサー/DJとして活躍しながら2015年に合同会社「HIHATT」を立ち上げたtofubeatsと、trialogの共同企画者でもあるEnhance代表・水口哲也。大手レーベル会社と契約しメジャーなシーンで活動の幅を広げるtofubeatsは、なぜ自ら会社を立ち上げることを決意したのか。そして革新的なゲーム作品を手がける一方で複数の企業の代表を務め、会場となるゲームチェンジャースタジオ「EDGEof」の共同創業者でもある水口は、何を考えながら組織づくりを進めているのか。クリエイターでありながら「経営者」としての顔をもつふたりに、クリエイティブと会社の関係、未来の組織のあり方について尋ねる。

SESSION 3:資本主義のオルタナティブと「幸福」のゆくえ

最後のセッションを通じて考えるのは、資本主義の「オルタナティブ。トークには文化人類学者・松村圭一郎とソニーコンピュータサイエンス研究所所長・北野宏明が参加し、それまでのセッションから引き続き若林がモデレーターを務める。エチオピアの農村や中東の都市でフィールドワークを通じ多様な経済のあり方を目の当たりにしてきた松村と、日本のAI研究をリードしAIが社会に与える影響を考え続けてきた北野。職業も専門領域も異なるふたりだが、ともに現代社会とは異なるオルタナティブな経済のあり方について考えている点は共通している。わたしたちが慣れ親しんでいる資本主義のあり方を疑いながら、どのような経済のあり方が、本当の意味で社会を「幸福」にするのかを考える。

なお、今回のtrialogに参加できるのは30歳以下の70名限定となっている。いま勤めている会社を辞め転職・独立を考えている人や、まだ就職したばかりの人。あるいはこれから就職活動を始める学生や、自らの制作を通じて生きていこうとするクリエイター。より一層多様な組織・働き方のなかで生きていくことになる30歳以下の人々にとって、trialog vol.4は「お金」や「仕事」と自分の関係を考える格好のチャンスとなるはずだ。もちろんトークの様子は今回もTwitter上で同時配信を予定しているので、参加できない方は配信のチェックを。登壇者への質問も随時受け付けているため、新たな経済のあり方を考えるための「対話」へぜひ参加してほしい。

WHAT’S “trialog”?

trialogとは、実験的な対話のプラットフォームです。

世の中を分断する「二項対立」から、未来をつくる「三者対話」へ。
trialogは異なる立場の三者が意見を交わす空間をつくり、
「ほんとうに欲しい未来はなにか?」を考えます。

代表を務めるのはblkswn コンテンツ・ディレクターの若林恵。
さらに、ゲームデザイナー/クリエイターの水口哲也が
共同企画者として参加します。ソニーのサポートのもと、
ジャンルや国境を超えた多彩なゲストを迎え入れたイベントを開催し、
対話のためのコミュニティ形成を目指してゆきます。